負けるとわかっている試合で何を思いますか?
僕は「何も」考えていない。
少なくとも、スコアのことは一切考えない。
イングランド代表戦も、残り時間10分で32点差、勝利は現実的に不可能。
そんな時、僕はチーム全員を集めて必ずこう伝える。
「スコアボードを見るな」
なぜか。過去は、変えられないから。
スコアは重要だが、それはそこまでの結果。
もう過去のことだ。
恨めしくスコアボードを眺めていても点差は縮まらない。
僕たちの力で影響を与えられることがあるとすれば、
それは目の前で起きていることだけ、それしかない。
思い切った割り切り方も必要。
アイルランド代表に勝ったことは素晴らしい結果だが、
次の瞬間からそれはもう過去のこと。
先を見ることも止めた。
この先の、南アフリカ代表との勝負の行方を心配する必要もない。
例えるなら、「大きな病気になったらどうしよう」、「交通事故に遭ったらどうしよう」、
と、起きると決まってもいないことに、ビクビクしながら生活するようなもの。
ただ、未来が過去と違うところが1つだけある。
今、目の前にある局面、全力でプレーすることで、
未来はいくらでも書き変えることができる。